西町北21丁目/a>

西町北21丁目

まともな事を書きます

日曜夜から、旅に出る。

吉野へ行ってみたい。

 

こんな事を考え始めたのはいつ頃だっただろうか。もうだいぶ前の話であり、なぜ吉野に行きたいと思ったのかすら、記憶の奥底に消えてよくわからなくなってしまった。

それからも理由をどこかへ失くしてしまった「吉野へ行きたい」という思いはいつも心のどこかで燻っていて、旅立ちを目論む度に候補へ現れ、その度に結局はどこへも行かず終いでいつも脳内会議は閉場していたのだが、11月の頭に4日という大連休が大学の学祭によってもたらされた。

 

そうか…4連休か…流石にそろそろどっか出かけたくなってきたんだよな…近鉄全然乗ったことないしフリパで乗り回しついでに吉野行くか!と思い立ったのが連休が始まる3日前の夜。

そこからはまあ早いもので、翌日朝には行き帰りのバスと宿の予約を入れ、最寄りの近ツーがある横浜へ行く用事があった親へフリパの購入を依頼し、交通手段も無事確保。さあ準備は整った。旅へ行こうじゃないか。

 

 

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不穏

2021年10月31日夜、ちょうど京王線の車内で刃物を片手に火を付ける男が発生し、「車内傷害事件の影響で運転見合わせ」という穏やかでない文面が運行情報の画面をスクロールしていた頃、バイトを終えた俺は横浜駅にいた。

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日中は人で溢れている駅も22時ともなると人気が減り、どこかがらんとしている。バスへ乗るべくYCATへ向かうと、先程見てきたがらんとした景色は消え失せ、俺と同じように夜行バスへ乗る人々が大集結していた。

みなさんご存知新型コロナウイルスの影響でソーシャルディスタンス確保のため、待合室の椅子が一つ開けて座るようになっているもんだから椅子の数が圧倒的に足りない。もたれかかる場所を求めて壁際にずらりと並ぶ人々、地べたに座り込む人々、地獄である。

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運良く待合室のイス取りゲームに勝利したので、敗者たちを眺めながら優雅にバスを待ち、時間が来たので乗り場へ移動する。

 

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さて、こちらが今晩のお宿、ファンタジアなごや号である。JR東海バスと京成バスの共同運行だが、この日はJR便であった。聞くところによると京成の車のほうが少し設備が豪華らしい。

軟弱物なので4列夜行には乗りたくないという意思のもと、今回ももちろん3列独立シートである。この日は自分の横・後ろ・斜め後ろが全て空席であった。気兼ねなく椅子が倒せるのでとってよい。

 

23:30にYCATを出発したバスは名古屋を目指して走ってゆく。横浜からは国道1号→(狩場IC)→保土ヶ谷バイパス→(横浜町田IC)→東名高速の経路で、一路名古屋を目指す。日中はいつも混んでいる戸部から西横浜の区間も、車線減少のせいでいつも猛烈に渋滞している保土ヶ谷橋の交差点も、ラジオの渋滞情報で聞き慣れた保土ヶ谷バイパスも深夜帯はガラ空きである。渋滞に詰まる様子を全く見せず、日付が変わる頃にはバスは深夜の高速道路を時速100km弱で快調にかっ飛ばしている。

 

 横浜で乗り込んだ時点では薄暗く照明が灯されていたので、消灯されたら寝ようと思い消灯を待っていたものの、一向に消灯される様子がない。どうやら消灯はしないようなので、さっさと寝ることにしようじゃないか。

俺が今までに夜行バスに乗った経験はオタクにしてはかなり少なく、これを除いて3回なのだが、どの時も開放休憩に気づかないほど熟睡できたので余裕をぶっこいていたものの、待てど暮らせど眠気が訪れない。思い返せば、ここ数年の自分は仰向けでは眠れず、いつもうつ伏せで寝ている気がする。にも関わらず、夜行バスはどうあがいても仰向けの姿勢で寝ることを強いられるじゃないか。なんてこった。数年のブランクが空いているうちに、すっかり夜行バス適性最悪の体になってしまっていたらしい。

 

 24:20頃、夜の東名高速を快調に飛ばしていたバスは海老名SAへ滑り込んだ。が、休憩ではない。ファンタジア名古屋号、なんと名古屋に着くまで開放休憩は1度たりともないのだ。横浜から名古屋は高速を使えば4時間足らずで走破できてしまうため、ちょうどいい時間に名古屋へ到着するように時間調整をしているのだろう。海老名の他にも、愛鷹PA富士川SA・東郷PAで時間調整を行っていた。

浜松あたりまでは起きていたのだが、夜行バス適性最悪になってしまった体でもどうやら最低限の睡眠は確保できたようで、気づけば愛知県は日進市の東郷PAでバスは時間調整を行っていた。

名古屋ICで高速を降りたバスは本山・星ヶ丘などで細々と客を降ろしながら名古屋駅へ向かってゆく。名古屋の割には道路の治安が比較的まともだなあ、なんて思っていたら交差点の横断歩道で客を乗せているタクシーへ鬼のようにクラクションを鳴らしながら猛スピードで左折していくゼロクラウンに遭遇し、ああやっぱり名古屋だなぁと感じさせられる。

 

6:10、バスは無事に名古屋駅BTへ到着。ささしまライブへ放り出されず、名古屋の駅前へ降ろしてくれるのはJRバスの特権である。

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俺をはるばる横浜から運んでくれたバスは客を降ろし終えると早々に引き返していった。ありがとうございました。

 

さて、こんな時間なので朝飯を食いたいが、名古屋駅界隈の店はどこもかしこも7時を過ぎないと商いを始めないらしい。仕方ないのでポケットに突っ込んでいたRX0を片手に駅周辺を写真を撮りながらブラブラと歩き回ることにした。でかいカメラを出すのが面倒な時にこういうカメラがあると便利である。

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𝓢𝓲𝓵𝓿𝓮𝓻 𝓾𝓷𝓴𝓸

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定礎

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コス衣装の袋を捨てるな。    え、袋捨てるってことはそれ着て家返ったんか?

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そうこうしていたらいい時間になったので、朝飯を食いに地下街へ潜ってゆく。

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やはり名古屋といえばモーニングである。名古屋の地下街にあった店はモーニングの内容がどうも微妙だったので他の店の様子を見てみたものの、結局最初の店で食うことにした。今思い返せば早々に近鉄に乗って沿線のどっかの駅で降りて喫茶店探せば良かったと後悔している。

 

 

さて、これからは近鉄に乗るぞということでちょうどいい区切りになりましたし、いっぺんこのへんで区切ろうと思います。

続く。やる気が続けば。

↓続いた。

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