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西町北21丁目

まともな事を書きます

This is a PEN.

IMGP1969_DxO

『これはPENです。』

 

 ついにやってしまいました。フィルム写真は数年前から気になってはいたけど「ランニングコストが馬鹿にならねえな」と思って心の片隅へ遠ざけていたのに、ここ数年でフィルム価格は爆上がりし、フィルム写真文化がゆるやかにゆるやかに消滅へ向かって坂を下っている様子を眺めながら「このまま一生フィルムで写真を撮らずに死んでもいいのか?」という焦燥感を無意識下で熟成させられていました。そんな最中、突然やってきた周辺のオタク達のフィルムカメラ購入ラッシュ。俺もこのビッグウェーブに乗るしか無えと思い、ついにフィルムカメラワールドの戸を叩いてしまいました。

 

 そんなこんなで購入したのがこちら、OLYMPUSのPEN-FTです。標準レンズ付きかつ整備済のものをヤフオクにて3万弱で落としました。

 こんな見てくれですが、PEN-FTはレンジファインダーでもミラーレスカメラでもなくれっきとした一眼レフです。その割には一眼レフ特有のファインダーが付いた出っ張りが無いじゃないかと思うかと思われますが、一般的な一眼レフとはファインダーへの光の導き方が違います。一般的な一眼レフは入ってきた光をミラーで上に反射し、ペンタプリズムで方向を変えてファインダーへ導きますが、PENは光を横に反射してプリズムへ導きます。

 というのも、PENは元々ハーフカメラの一族。ハーフカメラは一般的な35mmフィルムカメラが1コマ撮る面積を2コマ分にしちゃおうというカメラなので、36枚撮りのフィルムをハーフカメラに詰めると2倍の72枚写真が撮れるわけです。ケチくさいオタクにぴったりですね。ハーフカメラは1枚を2分割するので、撮れる写真はデフォルトで縦写真になります。縦写真を取るのであれば縦長のミラーはまあ動きが大きくなる縦方向より横方向に動かしたくなりますよね。ということで一眼レフっぽくない見た目の一眼レフが登場したわけです。

 

 御託を並べるのはここまでにして、フィルムで撮った写真を見ていただきましょう。

2022/05 長野(Kodak COLORPLUS200)

ハーフなので解像度はだいぶしょぼいですが、フィルムなんか写りがガバくてなんぼなのでまあハーフでもフィルムらしさが強調されて良いんじゃないですかね(適当)

レトロ映画館とフィルム、親和性が高すぎる。

 使い始めてから気づいた点として、PENは高速シャッターが切れないので日中はガッツリ絞り込まないといけない点が少し難点かと。最高1/500の機体だとISO200や400は割りと厳しいのでこれからフィルム写真を始める各位は1/1000が切れる機体を買ったほうがいいと思います。

2022/05 長野(Kodak ULTRAMAX400)

 200でさえ高感度のフィルムを詰めるとしんどいな~と思っていたのにCOLORPLUSを使い切ったら詰めようと思って持ってきていたもう一本はISO400。絞りはほとんど最小絞りにしっぱなしでしたとさ。

 

2022/05 横浜(ULTRAMAX400)

ULTRAMAXが微妙に余ったのでオタクと横浜でお散歩カメラした回です。ちなみに今も48枚だけ撮ったフィルムを余らせてます。バカですね。

GW中に人間向けの観光地に行ったらめちゃくちゃ人類が溢れてて地獄でした。

 ULTRAMAX400、前評判では「青色がバケモンみたいな色になる」と聞いていたのでちょっと身構えていましたがそこまででもなくて一安心。ISO400でもまともに使えるカメラなら常用にしてもいいかも知れない。なんてったって安いですし。

 

2022/06 長野(Lomography metropolis)

 今度はオタクドライブで長野に行った回の写真。こいつ長野行きすぎか?ちなみに9月に何とは言わない活動の一環でまた長野に行きます。

 3本目にして変わり種のフィルムへ手を出してみました。ISO感度が100~400というなんともアバウトなフィルムで、なおかつ色の癖もわりかし強め。

 『metropolis(=大都会)』 の銘の通り、コンクリートが似合いそうなどこかブリーチバイパスっぽい色味が特徴的。ネガなのにオレンジベースでなくて海苔みたいな色なのも特徴的ではあるけど、まあ撮ってデータ化する分にはあんまり関係ないです。

 

2022/07 天浜線(Lomography metropolis)

 またフィルムを余らせたので横浜から二輪を転がして天浜線へ。

 霧がヤバすぎる箱根で1秒露光を試みるも、そもそもピントが来ておらず撃沈。

IMGP1944_DxO 同時にデジタル機で撮った一枚。かっこいいですね。閑話休題

 

編隊飛行してる飛行機がいきなり現れたので撮ったら戦時中の写真みたいになった

 ISO400まで受け入れられるからかmetropolosは比較的粒子が粗め。色もちょっと癖が強いので飛び道具感が拭えないかな。今度は東京とかに持っていってメトロポリスをmetropolisで撮りまわってみたい。


 とまあこんな感じで購入から数ヶ月が経ってフィルムも何本か消費しましたが、やっぱり楽しい。1枚撮るごとに巻き上げレバーを動かしてフィルムを巻き上げる儀式は楽しいし、現像から上がってくるまで写りを確認できないので1枚撮ったら次を撮ることに集中させられる点も、確認できないからと言って無駄撃ちできないことから生まれる1枚にかける緊張感も、ああこれがフィルム写真なんだなと感じさせられて楽しい。もしあの時フィルム機購入ラッシュのビッグウェーブに乗っていなければ、これらの経験を一生しなかったんでしょうね。

 

 そういえば今日もTLでフィルムカメラ世界の戸を叩いてしまった人が新たに出現してましたね。ほらやっぱり今フィルム写真の流れが来てるんですよ。そこの貴方もちょっとフィルムカメラ使ってみません?^^ フィルムカメラなんて中古でいくらでも安く転がってるから1万円でもあれば始められますよ^^ 写ルンですとかでも良いですから。ね?